みぢかを機能で考える

ISIDエンジニアリング・機能エンジニアが機能で考える開発について紹介します。

卓球の張本選手も野球のレジェンド張本さんもエネルギー使いのエキスパート?

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「チョレィ!」

 

御馴染になりつつある、卓球張本選手の得点をあげたときの掛け声。

最初は中国語? と思いましたが特に意味はないそうですね。

先日までドイツ・デュッセルドルフで開催された世界卓球選手権では張本選手をはじめ日本選手は大活躍でした。東京五輪がますます楽しみになりました。

日曜朝の某TV番組では同姓のプロ野球界のレジェンド、張本さんが「あっぱれ!」を出していましたね。名前もいい!というコメントまで(笑)。

 

同じラケットを使うスポーツ、テニス。こちらのほうは世界四大大会の一つである全仏オープンが開催中で、こちらは錦織選手が頑張っています。

 

今回は「球を打つ」スポーツについて考えたいと思います。

 

球を打つということ、そもそもどういうことか、物理の原理原則で考えると、

 

「球にエネルギーを与える」

 

ということなのだと思います。

与えられたエネルギーは以下に分類されると思います:

1) 球の運動エネルギー(球の移動と球自体の回転)

2) 球の位置(高さ)がかわる位置エネルギー

 

過渡的には球が変形することによる、ひずみエネルギー、圧力エネルギー(空気がある場合)があると思いますが、球が十分な弾性をもち塑性変形はほぼないと考え、それらは最終的には運動エネルギーに変わっていくものとして上記の2つにまとめてみました。

 

プロ野球の東京ドームで昔は、元巨人の松井選手が、最近ではWBC日本ハムの大谷選手が天井に入り込む打球を打ったことがありますが、これは球の運動エネルギーはなくなったけれど位置エネルギーが高いままで止まったっていえますね。

 

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球を打つのは

 

  • 野球・ソフトボールならバットで
  • テニス・卓球はラケットで
  • ゴルフはクラブで
  • バレーボールは手で

いずれも「自分の体で」「振って」(スイングして)、発生させた運動エネルギーを、「打つ」ことでボールにエネルギーを与えているのですね。

 

ん…? ちょっと待ってください。

 

エネルギーの話で考えてみると、「打つ」に限らず、「投げる」「蹴る」「走る」も同じではないですか…。

 

  • 砲丸をなげる=砲丸に運動エネルギー・位置エネルギーを与え移動する
  • サッカーボールを蹴る=サッカーボールに運動エネルギー・位置エネルギーを与え移動する
  • 100m走自分の体に運動エネルギーを与え100m移動する

というべきでしょうか。

 

そしていずれも、人の筋肉の収縮エネルギーを使い、運動エネルギー・位置エネルギーを与えているということですね。

 

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こうやって考えるとスポーツとは、競技として競うために道具の規格、環境や競技ルール等の規程という前提条件を与えたうえで、「人の内部エネルギー(注)を如何にうまく目に見えるエネルギーに変換する」ことができるのか、それを競っているといえそうです。

(注)直接的には筋肉の収縮と考えますが、そこに至るメカニズムは複雑なので、「人の内部エネルギー」とまとめて表現しました。同僚にちゃんと説明しないと機能で考えたことにならんだろ~!といわれたのでちょっと調べて最後にまとめてみました。不勉強ですがご参考まで。

 

道具が介在すればその道具の特性を考えることが必要になりますが、道具はあくまでも手段であり、プロといわれるようなトップアスリートは皆さん、自身の体も含めて道具をうまく使える能力を持ち合わせているのでしょう。

しかも相手のある競技では相手が生み出したエネルギーにも対峙する必要があります。

卓球の平野美宇選手が早い攻めで台頭してきました。

テニスではライジングショットを武器に台頭した伊達選手や、錦織選手も、そして、野球では広角に打ち分ける名打者もボールのエネルギーをうまく活用して力のある球をうつ、そういう技術をもっているということなのでしょうか。

 

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そして、人の内部エネルギーの発生量はメンタルによっても左右されると仮定すれば、メンタルも大事な要素ということになりますし、人がやることだからその結果や過程に感動もあるということなのでしょうね。

 

話が難しくなりました。 

錦織選手の活躍を祈念してまた次回にします。

 

 

(「人の内部エネルギー」の説明)

食事により炭水化物、糖質、たんぱく質、ビタミン類、ミネラル類などの栄養素を摂取するが、エネルギーに変換されやすい糖質(ブドウ糖)によりつくられたグリコーゲンという物質で内臓や筋肉に蓄えられる。

エネルギーが必要になったとき、グリコーゲンを構成するブドウ糖の酸化等によりATP(アデノシン三リン酸)を生成する。

ATP(アデノシン三リン酸)がADP(アデノシン二リン酸)となりリン酸が外れるごとにエネルギーが発生し、これにより筋肉の収縮が行われる。

 ※投稿当初は「内部エネルギー」と記述しておりましたが「人の内部エネルギー」と記載しなおしました。なお、筆者がここで表現している「人の内部エネルギー」という言葉自体は、一般論として使われているものではありません(6/8 6:16)

自律神経の機能と関連させて「ストレス」を考える

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現代社会はストレスが多くて不調の原因になる」ということがよく言われます。

 

では、この「ストレス」とは一体なんなのでしょうか?

「外部から働くプレッシャーのようなもの」と思われていませんか?

実は外部から働くものは「ストレッサー」と定義されています。

「ストレッサー」とは・・・「ストレスを発生させるべく働きかけるもの」という意味です。

 

ストレスの語源は、物理用語の「応力(Stress)」と言われています。

これは外から来る力(F)に対応して、物体の内部に発生する「単位面積当たりの力(σ)」です。

カナダの生理学者セリエが、これを生物に当てはめて、「外部からの刺激(ストレッサー)に対する体の反応」のことを「ストレス反応」と名付けました。

従い、同じような刺激やプレッシャーを受けても、それに対してどのように反応するか(ストレスを感じるか)は、その人次第で違ってきます。

 

・・・という風に書いているのが一般的な書物ですが、ここは「みぢかを機能で考える」コラムですので、このままではいけません。なにがいけないのかというと、「ストレスを発生する」という機能を考えても、それがブラックボックスのままなのがいけないのです。

 

上の説明を機能ブロック図で描いてみると、下図のようになります。

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この「ストレスを発生する」機能を分解してみようと思っても、どうも解りにくいですね…。

そもそも、私たちの体に「ストレスを発生させよう」などという働きがあるのでしょうか?

 

ここで、以前におはなしした「自律神経の機能」をふたたび考えてみましょう。

「成人が恒常性を持って自分自身を維持しながら活動する」という人の体の機能を制御(調整)しているのが、自律神経の機能であり、「活動的」にする「交感神経」やアドレナリンと、「休養的」にする「副交感神経」やセロトニンという、互いに逆の働きをうまくバランスさせて、あるときには交感神経優位に、またあるときには副交感神経優位にすることで、「活動と休養」という同時にはできない働きを使い分けているというおはなしをしました。

 

このバランスが崩れた状態、特に「交感神経を優位にする必要がないのにそうなってしまっている状態」のことを「ストレス状態」と呼んでいるのではないか、と仮説を立ててみます。

そうすると「ストレスを発生する」と書いてブラックボックスになっていたブロックの中身が見えてくる気がします。

 

すなわち、

 

「ストレッサーは、自律神経システムにとっての外乱であり、この外乱によって自律神経の制御が乱れているのが、ストレス状態である」

 

ということです。ブロック図に書くと以下のようになります。

 

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このように書くと、梅雨の時や低気圧の時に体調が悪い人がいる、ということも説明できそうです。自律神経の統括がうまくできず、ホルモンの分泌をうまく働かせていないと考えると、結局は自律神経システムを乱していることが納得できます。

 

ストレスと関連して「不定愁訴」という言葉がありますが、これは

「今の医学の検査方法では原因が特定できない愁訴」

という意味であって、実は自律神経システムの乱れを計測できないから、そのように言われるだけだと私は考えています。もう少し医学が進んで、自律神経システムの乱れを計測できるようになると、これらもきちんと対応できるようになるのではないでしょうか。

 

さて、このように「外乱で本来の働きが阻害される」という考え方は、製造業における「不具合対策」を講じるときにも有効です。

 

不具合を解決しようとすると、「不具合の原因」を探る必要がありますが、その際に「機能」の考え方にこだわりすぎてしまい「不具合を発生させる機能」などと考えられる方をお見受けすることがあります。

すると「何が不具合か」を定義しなくてはならなくなって、不具合の可能性を無限に考えなければならなくなります。これではきりがありませんので有効な対策が出てきにくいのです。

 

それよりも

 

「本来の機能が損なわれた状態が『不具合』である」と考えることによって、意識を「不具合対策」から「本来の機能の回復」に移すことができます。

そうすると「本来の機能を果たすためには別の方法もあるではないか」と気づく場合があって、それを実行できると、元の方法に付随していた不具合を根本的になくすこともできるのです。

 

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話をストレスに戻しましょう。

 

ストレス対策と一般的に呼ばれている方法は、

1.仕事の量・内容・種類を調整したり、周りが気を遣ったりすることで、その人の本来の力を発揮させる

2.瞑想・リラクゼーションなどによって、副交感神経を優位にする

のいずれかの方法が多いと思います。

 

これらは、さきほどからお話している自律神経システムへの「外乱」という見方で表現すると、

1は、「その場の外乱を取り除く」

2は、「逆の外乱を与えてバランスを取る」

 

ということになり、いずれも「今、自律神経の調整が乱れている状態を元に戻すために外乱を変える方法」と言えます。

 

もう一つの別な方法を考えると、「自律神経システムが外乱によって乱されにくくする」ことが有効であろうと思います。

 

例えば、武道やスポーツなどで「体と同時に心を鍛える」などと言いますが、この「心を鍛える」ということは、極度に緊張を強いられる場に普段から身を置くことで、そうした外乱に慣れる、すなわち外乱に動じない自律神経システムを作り上げることではないでしょうか。

これは、自律神経システムの働きを鈍くすることを言いたいのではありません。必要なときに必要なだけ自律神経を働かせればいいのであって、それを過剰に働かせないということです。実際、優れた武道家やスポーツ選手は、試合の時に適度な緊張を持って、アドレナリンを出しているといわれています。アドレナリンは決して敵ではないのです。

 

ただし、こうした境地に達するにはいくつかポイントがありそうです:

 

・自信を持てる実力をつける

これが一番重要なことだと思っています。例えば、「仕事に必要な知識を身につけなければならない」場合に自分の専門外、初めての分野の勉強をしなくてはならないことも往々にしてあります。

そのときに勉強が不十分で仕事に生かせないと、自信が持てなくなりその仕事に対することがストレスとなります。

・・・スポーツの世界で「練習は裏切らない」とか「人一倍練習してきたことが自信につながる」などと言いますが、仕事でも同じですね。

 

・状況を俯瞰できるようになる

これもある程度の経験があって初めて可能かもしれませんが、物事を俯瞰してみる考え方は有効だと思います。

例えば、要求がやたらに多い顧客がいたとして、ただ「困った、どうすればいい?イライラするなあ」と思うのではなく、その相手がなぜ口うるさく言うのかを相手の身になって考えてみるのです。

例えば「彼も業績を上げないといけないというプレッシャーで焦っているのかなぁ」とか「上司からいろいろ言われているに違いない」とか、その状況の背景を考えることができるようになると冷静に対処ができるようになってくるのではないでしょうか。

 

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今の世の中は、とかく「即効性」とか「楽に○○ができる」という方法がもてはやされて、「自律神経システムが外乱によって乱されにくくする」というような時間と労力のかかる方法は敬遠されがちです。しかし、時間がかかるからこそ、一度身につけると長く効果を発揮するとも言えますね。

 

さて、この気持ちのいい季節に、ひとつ武道でも始めてみましょうか。

 

掃除機の機能と性能

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掃除機というと、電気掃除機のことを普通は指していると思いますが、これが登場したのはかれこれ100年もの前のようです。

代表的な掃除用具にホウキがありますが、ごみを移動させるだけなので、外へそのまま掃き出すか、ゴミ箱に捨てるために、ごみを集めてチリトリですくい取り、まとめます。 だから、電気掃除機ってごみをかき集めて、すくい取り、まとめる役割をもったものといえるでしょう。

私流に機能で考えて物理特性で表現すると。。。

 

「何らかのエネルギーによりゴミを所定場所に移動させる」

 

電気掃除機なら

「電気エネルギーによりゴミを所定場所に移動させる」

 

さらに、一般的に身近にあるのは、モーターを利用したバキューム式なので、

「電気エネルギーをモーターにより回転運動エネルギーに変換し、ファンにより回転運動を空気の流れの運動エネルギーに変換し、その運動エネルギーでごみを動かし、所定場所に移動させる」

 

といったところでしょうか。

 

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この定義に「静かに運転する」とか「排気をきれいに保つ」「室内で持ち運びやすい」といった表現はでてきません。

ましてや「自動的に部屋を動く」も…。

私はこれらもユーザーにとっては重要な指標だと思っていますし、なんら否定するわけではありません。自分が先日掃除機を買い替えたときは、家電量販店で実際に動かして静かなものを選びました(笑)。

 

しかし、このブログの初回に申し上げた「機能で考える」意味をここで今一度考えておきたいと思います。

 

モノやシステムのそもそもの役割に注目する。それを物理特性で表現し「機能」と定義する。

そして「性能」とは、さまざまな機能が所定の条件、所定の場面で果たしたその結果。

 

と考えています。

モノやシステムの機能を果たしても条件によっては思うような結果がでないこともありますよね。

 

100Km/hで走行している車が急ブレーキをかけて、どれぐらいで停止できるか、その「制動距離」という「性能」はブレーキだけでは決まりませんね。ブレーキペダルの操作性、車の重量、タイヤ、路面状況…。

 

そういう指標では私はモノやシステムの出来栄え、どれぐらい機能を果たしているのかを正しく評価できないのではないかと思っているのです。

 

一方、機能がどれぐらい発揮できているかを定量的な水準で評価することは大事なことだと考えています。

初回のブログでブレーキの機能を次のように定義してみました。

 

「運動エネルギーを減少させるために、回転運動エネルギーを摩擦力で熱エネルギーに変換する」

 

この場合、定量的な機能水準とは「運動エネルギー→熱エネルギーへの変換効率」かもしれません。いい言葉がみつかりませんが。

 

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「性能」ではなく、「機能」によりモノやシステムのあるべき姿をシンプルに考える。 そして「機能」の理想を実現するためにはどうするかを考える。それこそが技術革新のスタートではないかと考えています。

 

電気掃除機の機能水準を考えると、いかに「効率よく」空気の流れを発生し、「多くの」ごみをその流れに乗せ、「もれなく」所定場所までに移動させる…「効率よく」「多くの」「もれなく」の水準を高くすることが掃除機の目指すべきことではないか…私は考えています。

もちろん、同じ機能なら静かでコンパクトの方がよいと思いますが、「静か」「コンパクト」ということはこれらの掃除機の本来の機能とは別のものだと思っています。

 

私が考える「機能」の意味について今回はお話をさせて頂きました。

 

 

サーフィンシーズン到来

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5月に入り気温の上昇と共に海水温も上昇し、サーフィンにふさわしい季節がやってきました。

私は、かれこれ数十年サーフィンを楽しんでいますが、齢を重ねるごとに、かつてのようにどんな波でも乗れなくなりました。

 

体力が落ちたからしょうがないと思っていたのですが、友人から少し短めのボードを使ったら?といわれ使ってみると意外といい!

  

サーフィンっていうと要は波乗りですが、私は波に乗るまでが難しいと思っています。 乗ってしまえば簡単というわけではなく、そこに一つのハードルがあるということです。

そこで、波に乗るまでの、漕いで(パドル)、ボードの上に立ち上がる(テイクオフ)について考えてみたいと思います。

(カヌー等に用いる櫂だけでなく、サーフボードに腹ばいになり手で水をかいて進むこともパドルといいます。テイクオフは飛行機の離陸もテイクオフですが、同じイメージですね)

 

 

では波に乗るとはどういうことなのでしょうか?

 

必要条件として

「サーフボードのスピード > 波のスピード」

 

こうならないと波には乗れませんね。

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では、波のスピードは何で決まってくるのでしょうか?

海岸に押し寄せる波は、風や、その他気象条件により海水に力が加わり、それが伝わることによって発生すると考えられています。

 

調べてみると、海岸から離れた水深があるところと、海岸近くで水深が浅いところでは波の挙動はちがうようです。

前者を深水波といい、波がやってくる速度は一般的な定義がほぼ適用でき、速度=波の波長/波の周期。

後者は浅水波といい、波の挙動は底面の影響を受けるようになり、水深をdとすると、波の速度は√dに比例します。

 

海岸から離れると波の速さは、大きな波であればあるほど速くなるのですね。なんとなく実感はありましたが、こうやって改めて考えると、なるほどと思ってしまいます。

 

ということは...

体力がおちてパドルスピードが落ちる=サーフボードのスピードが落ちる、それで大きな波に乗れなくなってきたといえそうです。

 

ただし、それだけではなく、大きい波ほど波のフェイスに斜度があり、それを登るにはパドル力が必要になります。それも要因かもしれません。

 

短めのボードを使ったら、意外とよかったのは…

短いボードのほうがパドルの初速が上がるから?いや、これはいろいろな要因がありそうです。

長いほうが最高速度はでると言われていますし、形状や浮力によって水との抵抗が変わってくることが影響しているかもしれません。

  

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このブログではモノやシステムの機能を考え、その機能を物理の原理原則で表現してみるというアプローチを紹介しています。

今回、サーフボードの機能を考えるというより、そもそも波に乗るってどういうことか、それを物理特性で少しだけ考えてみました。

近々サーフボードの機能について考えてみたいと思います。

 

サーフィンに限らず、どんなスポーツでも「人の能力に寄り添う機能」を最大にする道具が求められているのかもしれませんね。

 

体調を整えるために・・・・ 自律神経の機能とは

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いよいよ春から初夏に向かって、気持ちのいい天気の日が増えてきました。しかし季節の変わり目には体調を崩す人が増えます。また、現代人としてはストレスへの対応も何かと課題です。

 

ということで、今回は「体調を整える」ために、これを司っているといわれている「自律神経の機能」を考えてみましょう。

 

 

まずは基礎知識から。自律神経って何でしょうか?

 

人の体には、自分の意思で動かせるものとそうでないものがあります。手足や顔の表情などは自分の意思で動かして変えられますが、心臓や胃腸は勝手に動きますね。この「勝手に動く = 自律している」ものコントロールしているのが「自律神経」です。

 

 

機械の「制御系」と同じような働きをしている、とも言えますね。・・・どちらかというと、機械の方が人間をまねして作られたのかも知れませんが。

こうした「制御系」の機能を考えるのは実は難しくて、制御系自体を考える前に「制御されるもの」すなわち制御対象の機能を考えなければなりません。

 

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本題に入る前に、もう一つ、前置きをしなければなりません。

普通は「機能で考える対象」は人工物であることが多いですが、今回は自然のものということになります。それを「神が作った」ととらえる人もいれば、進化の結果ととらえる人もいるでしょう。

いずれにしても、人が作ったものではないので「そもそもの目的」とか「何のために存在しているのか」を考えるのは難しいということです。ですからここでは「結果としてどのような機能が備わっているか」を考えることにしましょう。

 

 

では、制御される対象である「人の体」の機能を考えます。

そもそもの目的は考えないので、どうしても抽象的で限定的な機能とせざるを得ません。ここでは、「成人が恒常性をもって自分自身を維持する」ということを目的として、機能を考えてみましょう。

すなわち「成長する」という働きや「生殖する」という働きは一旦無視して、そのまま健康的に維持することだけを考えましょうということです。

 

 

人間の活動自体には、自分の意思で動くというものもあり、これは自律神経の働きではありません。自律神経が関わる機能として「活動しやすい状態を作る」ということと、「活動した後の体の維持(補修)をしやすい(すなわち、休養しやすい)状態を作る」ということがあります。

これら2つの働きを同時に効率よく実施すること(すなわち、活動しながら休養すること)はできないので、「あるときには活動的」となり「あるときには休養的」にしたい、それらをうまく制御するのが自律神経の機能ということになります。

 

 

前者を担っているのが「交感神経」、後者を担っているのが「副交感神経」という名前で呼ばれているものです。車でいうと「アクセル」と「ブレーキ」のイメージですね。

目的と手段のツリーでまとめると以下のようになります。

 

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朝起きると、交感神経が優位になり、活動的になる。夜遅くなると、副交感神経が優位になり、眠くなって体を休める。 

もうすこし専門的な話をすると、これらの神経を陰で操っているのが「ホルモン」の一種で、例えば興奮すると「アドレナリン」というホルモンがでて、交感神経がさらに優位になりますし、落ち着いているときには「セロトニンというホルモンが副交感神経を高めて休養を助けています。

 

 

季節の変わり目やストレス、あるいは夜更かしなどによって、これらの自律神経のバランスが崩れると、体の状態を適切に制御できなくなるということですね。

以前、サッカーでお話したようにここでも機能の配分が重要になりますね。

特に交感神経が高ぶることが、体調を崩す原因となることが多いといわれています。体を温めたり、深呼吸をしたり、睡眠をしっかりとって副交感神経が優位な時間を増やし、体調キープを心がけたいですね。

 

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今回は人の体について取り上げて考えてみました。

人の体は複雑で、さまざまな機能で成り立っていると思いますが、前提を置いて取り上げる範囲を絞り、表現を抽象化することで、重要な機能について考え、整理することができます。 

このことは他の対象でもいえることだと思います。

 

では、今日はこのくらいで…また体の話は機会をみて取り上げていきたいと思います。

 

 

 

読まない本に価値はあるか?-「存在する」という機能を考える

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先日、「本の機能」についてお話をしました。

 

紙の本には「脳内を耕す」機能がたくさんある。

一方、本を買う理由として「所有欲」がありそうで、紙の本には記録媒体として「脳内を耕す」こと以外の機能があるのではないか?

 

という話でした。

今回は

「所有欲」を満たすために紙の本は存在しているのではないか?

を深堀りしてみたいと思います。

 

どんな状況を想定しているかというと…

  • 本を所有しているだけで満足する。
  • 本棚に並べて眺めるだけで満足する。
  • 読む機能は二の次となり、下手をすると読まないまま飾られ続ける本となる。

 

 

ここで問題です。

 

読まない本に情報はあるのでしょうか?

 

これは「誰もいない森で樹が倒れたら、その時、音はしただろうか?」という有名な哲学の問いかけのアレンジです。認識者の有無が現象の有無につながる、という考えです。

 

個人的な話になりますが、私は某「手が伸びる海賊が主人公の漫画」は同じものを2冊買っています。家族でボロボロになるまで読みつぶす本と、きれいに私の本棚で保管する本です。これを読むと「??金と場所の無駄!!」という人と、「とってもよくわかる!」という人とに二分されると思います。後者の方、同士です。仲良くしましょう。

それはさておき・・・

 

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保管用の本を眺めながら

「この本は、確かにきれいな状態で保存され、表紙も帯もきれいなままだが、ひょっとしたら中は何も印刷されていないのではないだろうか...?  というより逆に、印刷してある必要はないのではないか?」

なんて考えたりします。

 

この時の本の価値は、きれいな外見・装丁を以って「ここに存在していること」です。存在自体が価値なのです。中身に文字や絵などの情報を持つ必要性はありません。

 

でも…。

 

印刷されていない、白紙の本を果たして買うでしょうか?

 

オブジェならともかく、ちゃんと書籍として存在する本を買うのですから印刷された中身は絶対に必要です。それがあるから表紙があり、装丁があり、内容の伴った厚さと大きさがあるのです。

 

でも読まないのですから、情報は重要視されていない。情報の内容の価値は二の次になります。

 

とはいえ興味のない、もしくはレベルの低い情報しか持っていないのに装丁がきれいだからという理由だけで本を買うかというと、絶対そんなことはないので、やはり情報価値も重要です。

 

タマゴが先かニワトリが先か的な話になってしまいました。キリがないので一言でまとめます。

 

これは単なる所有欲ではなく、「知的かつ美的な情報所有欲」である・・・と自分に都合のいい定義とさせていただきます。

そしてその欲望を満たすことができるのが、紙の本の存在であり、存在自体が機能なのだと思っています。

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「そんなこと言いつつ、きれいにとっておいて、希少価値が出たところで高く売ろうと考えているのでは?」と思っている方。

世の中そんなにうまくいきません。

某漫画専門古本屋ではかなりの高額で売買されている古書は、ほんの一握りです。

私は本を「投機対象」と考えたことは一度もありません。

 

でも世の中には「限定品」という名の本もあったりします。

その価値、機能はなんでしょうか?

 

ということで、またしても話は続きます。

 

またの機会に「脳内を耕す」ことのできる記録媒体機能と「知的・美的情報所有欲を満たす」存在機能以外についても考えてみたいと思います。

 

春本番…いやもしかしてもう夏?

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桜前線も本州北部まで上り、420日のウェザーマップの予想だと4月中には北海道南部まで開花の予想となっています。

 

日中は汗ばむ陽気になることもありますね。

最近は春や秋が短くなったと感じている方も多いのでは。  地球温暖化による日本の亜熱帯化だとか

 

 

平成293月実施の内閣府消費動向調査では二人以上の世帯でエアコンの普及率は91.1%という数字が出ています。

しかし、それでも、夏が近づいてくると登場するのは扇風機。

その手軽さと即効性が重宝されているのだと思います。

 

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なぜ扇風機の風にあたると涼しいのでしょうか?

 

扇風機が涼しい風を送っているわけではないですよね。

送られた空気と、体表に温度差があると、空気の流れにより体表から熱が移動する(対流)、

あるいは体表に汗などの水分があれば、気化されることにより奪われる気化熱によって涼しく感じているってことでしょうか。

 

家電量販店でよく見かける通常の扇風機の機能は

 

電気エネルギーをモーターにより回転(運動)エネルギーに変換し、回転エネルギーを羽根に与え、羽根により周囲の空気を押し込み、空気に運動エネルギーを与える…。

D社の羽のない扇風機も周囲の空気を押し込んで空気に運動エネルギーを与えるという点では同じで、空気を押し込む手段がちがうだけなのでしょう。

 

機能的には単なる送風機というべきなのですが、「扇風機」と名がついたモノの目的は、体を風により冷やす、涼しく感じさせること。

そのために

  • 体の方向へ風向を変えやすいコンパクトな形
  • 送風の量を簡単に変えられるようなスイッチ
  • 風を満遍なく送れる首振り動作
  • 就寝時に体表を冷やし過ぎないOFFタイマー

などが与えられていますね。

 

単なる送風機がいろいろな機能と組み合わせることにより、「涼しくする」という目的により近くなる。

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実際に人が涼しく感じるかどうかは人間の五感をどう刺激するか次第、その五感に寄り添う形で色々な機能が合わさっているといえるのかもしれません。

 

ならば体表の空気の流れや気化熱と、涼しく感じる「脳」との繋がり、ここを紐解けばより高い機能を実現できるのかもしれませんね。