みぢかを機能で考える

ISIDエンジニアリング・機能エンジニアが機能で考える開発について紹介します。

信号機

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外に出ると道路のいたるところにあるもの。 今回は「信号機」の機能を考えてみましょう。

 

さて、「信号機」は何のためにあって、どんな働きをするのでしょうか?

車や歩行者の動きを整理する事故を起きにくくする、など、いろいろな「目的」が考えられます。

その目的を達成させる手段が、信号はちょっと変わっていると思うのです。

 

 

信号機は「交差点(あるいは横断歩道)」にあります。すなわち、複数の移動方向が交わるところで事故が発生しないように、歩行者や車などの動きを整理する、という目的があります。(ここでは簡単のために、これ以降は横断歩道も含めて「交差点」と呼ぶことにします。)

 

ただし、「複数の移動方向が交わるところで事故が発生しないように」ということを考えると、立体交差させるのが一番なわけであり、交差点自体が存在しないことが理想です。

道路の立体交差や、歩行者のための歩道橋や地下道などですね。

 

 

しかし、立体交差にはかなりの費用が(道路は広い場所も)必要なので、あらゆるところを立体交差にすることはできません。すなわち、交差点はできてしまうということです。

その「交差点」というものの存在を前提に、「事故が発生しないようにする」ことを目的に考えます。

 

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さてここで、もう一つの重要なことを考えなくてはなりません。

それは歩行者や車の運転者は、自分の意志で、動きたいように動くものであるということです。すなわち、交差点での動きを歩行者や車の運転者に強いることはできないのです・・・。

もしもこれを強いるという働きを考えるのならば、交差点で歩行者や車をかごのようなものに乗せて運ぶといった手段を考えなければなりません。これはまた、立体交差を作る以上に費用が大変かかることであり、実現性が低いですね。

 

 

そこで、交差点を通行する際のルールを決めて、そのルールに則って通行できるように、「指示を出す」ためのものとして、信号機が存在するということになります。すなわち、信号機の機能は

 

「歩行者や車は交通ルールに則って交差点を通過する」という前提のもとに、「交通ルール上の指示を出す」

 

ことになります。

信号にはそれしかできないのです。

 

 

だから、そもそもの前提である「交通ルールを守る」ということを崩すような歩行者や車の運転者がいると、いくら信号機が頑張っても事故は起きるわけですね。

 

 

当たり前のことを長々と話しているように聞こえるかも知れませんが、「人の行動」と関連するシステムを構築しなければならない時に、この信号機と同じようなことが必ず発生しうるので、「人はどのように行動するか」という前提をどう置くかによって、必要なシステムは全く変わってしまうことになるわけです。

 

かといって、人の行動をすべて事前に想定して、それに対応するシステムを作るということは不可能です。

あるいは完璧なシステムを作ろうとすると人の自由を奪うことになるのかも知れません。

 

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今、何かと話題になる「自動運転」も、この予測が難しい「人の行動」というものを、どう捉えるかによって、成否が大きく変わってくるものと思います。すなわち、自動車専用道路を走らせることは比較的容易でも、街中を走らせることがはるかに難しいということです。

  

今回はこの辺りで。