みぢかを機能で考える

ISIDエンジニアリング・機能エンジニアが機能で考える開発について紹介します。

Uberの価値、タクシーの価値

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機能エンジニアです。

 

しばらくブログ投稿がお留守になっていました。

 

私たちはものづくりに関わるさまざまなお客様に「機能で考える開発」というものを提唱し、ご支援をさせてもらっています。

身近にあるものを題材に「機能で考える」とはどういうことなのか、それをわかりやすくおつたえをするためにこのブログを通しておつたえをさせてもらっています。

 

今回は「機能で考える」上で大事だと思っていること、それを共有させて頂きたいと思います。

 

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ご存知の方も多いと思いますが、タクシー業界を騒然とさせているUberというサービスがあります。

Uberとはどんなものなのか、いろいろなところで説明をされているので、ここで詳細を語ることはしませんが、簡単に言うと

  • タクシーと同様に人を目的地に運ぶサービス
  • ある特定の企業の車がそのサービスを提供するのではない
  • そのサービスを提供できる人や車をITの力を活用しダイナミックにつなげて多様なニーズに応えていく

というものです。

まだ日本では広く馴染みがあるとはいえないかもしれませんが、米国サンフランシスコではUberの利用が殆どになり、タクシー会社はなくなってきているそうです。

 

ドライバー、車、企業といった形にこだわらず、そのサービスを提供するために必要な機能に特化し、IT活用で使いやすさを上げているという点では、「機能で考える」ことに相通じるものがあると思っています。

 

一方で最近あるタクシー会社のCMをみて、機能が提供する「価値」について考えさせられました。

 

注目したのは、制服、制帽を身にまとった典型的日本のタクシードライバーがおばあさんを背負って、石で築かれた階段を一つ一つ登っているシーンです。

 

情景から、近海に浮かぶ小さな島なのか、あるいは山奥の片田舎なのか、急な斜面に住まいがあり、戸口に車をつけるような道路はないことが想像されます。

 

CMではタクシードライバーがそのおばあさんを車に乗せ、目的地へ移動し、到着して料金を頂き、車から降ろすといった一般的なシーンは一切でてきません。

 

しかし、さらに想像力を膨らませると、石段を登っていく前には、こんなやりとりがあったと思われます。

 

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「おばあちゃん、どこまでいくの」

「家はこの坂道のずっと上にあるのよ」

「それは大変ですね」

「いつものことよ」

「なら僕がお送りしますよ」

「送るってどうやって…?」

「まあまあ、とにかく降りて」

 

        (タクシードライバーが車を降りたおばあさんをおんぶしようとする…)

 

「えっ…?そんなことしてくれなくてもいいよ」

「いやいやまたうちのタクシーをつかってくれたらそれで十分ですよ(笑)」

 

という会話から、その続きが石段を登るシーンであったに違いありません。

 

であれば、このドライバーはお客様を目的地までお連れするということを「車で」といった手段に限定するのではなく、「安全に」「楽に」「本当にお客様が行きたい目的地まで」という目的を考え、その目的を達成すべく「価値」を提供したといえるのだと思います。

 

さらにお客さんはタクシードライバーの好意に「いいタクシー会社だ」と思い、今度はそのタクシー会社を呼んでくれる可能性がある…タクシー会社にとってもドライバーにとっても提供した価値でさらに価値を生み出す状況になっていくのかもしれないのです。

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我々が「機能で考える」ときに、目的は何か、何をしたいのかということを自問自答するようにしていますが、そのときにキーワードになるのが「価値」と考えています。

 

もちろん何が「価値」になるのか、それは生み出されるものを取り巻く状況や、その内容(形やサービス等)を受け取る人によって異なります。過去には全く見向きもさえなかったものが、今はもてはやされることもあります。 

 

何かに取り組むときに、その目的はなにか、そのために必要な機能はなにか、そしてどんな価値を提供できるのか、これらはモノづくりだけでなく、どんな仕事や学業にもいえることではないでしょうか。